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2011-12-05(Mon)

戦闘妖精・雪風〈改〉

戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)戦闘妖精・雪風(改) (ハヤカワ文庫JA)
(2002/04)
神林 長平

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妖精を見るには

妖精の目がいる。

続編は未読、ニコニコのマブラヴクロスオーバーズで知ったクチです。
アニメの戦闘映像のかっこよさと主人公深井零の色気で興味を持ったのですが、原作を読んでみたらすごい世界観のSFでした。
表紙に戦闘機が乗ってるので「なんか専門用語とか連発されたらどうしよう」なんて不安もありましたが、
ストーリー上、戦闘に重きをおいていないのでふつうに面白く読めました。

テーマは「人間性」。
主人公はフェアリィ空軍特殊戦所属のエースパイロット、深井零。そして、学習型コンピューターを搭載した高性能戦闘機・天翔る妖精シルフィード……「雪風」。
未知の敵、ジャムの情報を得るため、味方を見殺しにしながらも惑星フェアリィの空を飛ぶ一人と一機。
雪風のみを信頼し、いつか雪風と共に果てることを望む深井中尉と、あくまで「機械」である雪風の極めて一方的なすれ違いを描いた作品です。



なお、原作を読むとアニメ版深井中尉に対して(この原作から)どうしてこうなった\(^o^)/感が。
原作版のほうが好きですけどね。女のちち噛み千切って撃ち殺して脱出するとか深井サンカッケー。

様様なものを愛し、ほとんどに裏切られ、多くを憎んだ。
愛しの女にも去られ、彼は孤独だった。
いまや心の支えはただそれのみ、
物言わぬ、決して裏切ることのない精緻な機械、
天翔る妖精、シルフィード、雪風。
(早川書房 戦闘妖精・雪風〈改〉 著:神林長平 p.18より抜粋)


戦闘妖精・雪風。
作者は神林長平さん。初めて読む作家さんでしたが、文章はあっさりとした感じでとても読みやすかったです。
ただ、アマゾンの感想を見ると「この作品と同じ感覚でシリーズ三作目を読むとリタイアする」「三作目を読むなら他の神林作品を読んでから」などとかなり脅されてるため、どうやら本来はもっと独特な文章(もしくは世界観)を書かれる作家さんのようです。

内容は戦闘機モノではなくあくまでSF。
フェアリィ空軍に所属する人間たちと、システムの一切を管理するコンピューター。そして、主人公である深井零高性能戦闘機・雪風の関係から「人間性」「機械性」について鋭く斬りこんだ作品です。

深井零は特殊戦と呼ばれる部隊の一員で、その任務は「敵の情報を必ず持ち帰ること」。
フェアリィ空軍が戦っているのはジャムと呼ばれる謎の敵で、かれらは高度な技術力を持っており、常に地球側の兵器を一歩上回るもので戦闘をしかけてきます。
ジャムが用いている兵器の詳細、こちらの兵器の有用性、その戦闘データ。それらを集める役割を、深井零の属する特殊戦は担っています。
生還するために、基本的に戦闘状況には介入しません。たとえ戦闘部隊がジャムの攻撃で全滅しようとも。
そのような任務内容から、特殊戦の戦士たちはみな他人に対する関心や執着心を持たない、機械のような人間ばかりで構成されており、深井零もまたその一人だったのですが…。
戦いの中で彼は感じ始めます。ジャムが相手にしているのは地球の「人間」ではないのではないか、と。
ならば、ジャムとの戦いに人間がいる意味とはなんなのか。機械にとって人間とはなんなのか。雪風とって自分とは…一体なんなのか。

シリーズ一作目ということもあって、問題提起のみでこれらの問いへのはっきりとした答えは明かされませんでしたが、非常に考えさせられる話でした。
本当に20年前に書かれた作品なのだろうかと舌を巻きます。

登場人物の心情もしっかりと伝わってきて、特に作中で何度も「機械的」だと述べられている深井零が、恐れや嫉妬を抱きながらも雪風に執着する姿からは「人間性とはいったい何なのだろうか」と考えさせられます。

アニメ版のストーリーは原作ファンから色々言われていますが映像はとても美しく、とっつきにくさを感じたらそっちから入るのもいいのではと思います。





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theme : 読書
genre : 小説・文学

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