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2013-05-26(Sun)

灰燼のカルシェール ~What a beautiful sanctuary~

PC向けADVシリーズ、「スチームパンクシリーズ」のif世界観を舞台にしたライトノベル。
全作品の主人公が道中で倒れた後の、バッドエンドの世界を描いた物語。


灰燼のカルシェール -What a beautiful sanctuary-
朽ち果てた世界で。
喝采はいらない
「世界を灼きたいわけじゃない」
君を愛している
「君の心に火をつけたいだけなんだ」


<あらすじ>
終極の音のしらべと共に、終わりの物語をあなたに――
1907年。
由来不明の巨大な柱、≪大機関時計≫が各地に突き立ち、すべての都市が同時多発的に壊滅。世界人口の9割が失われた。
1908年。
文明と国家の崩壊。あらゆる命を喰らう機械死人が発生。僅かな生存者を駆逐し始めた。
そして…、191x年。
荒れ果てた世界を旅するふたり。
ひとりは青年、ひとりは少女。
それはこの世界最後の命。たったひとつ残った温かなもの。



<登場人物>

「きみのためにこの命を使う。きみが、あの日、僕を守ると言ってくれたように」

終末世界を旅するふたりの内のひとり、キリエ
留め具の多い軍用外套を羽織った背の高い青年。
体の多くが鋼鉄となっている。
自ら「ジュネを守るための機械」と化して、襲いくる機械死人と戦う。
ジュネの前では、顔にこそ出づらいもののとても素直な反応を見せる。彼女のすべてを信じている。




――あの日、あの時。
あなたと交わした約束のためにこそ、あたしは死ぬ、と。

終末世界を旅するふたりの内のひとり、ジュヌヴィエーヴ・ナインス。愛称ジュネ
ボロボロの白衣を纏った少女。
キリエのメンテナンスを行ったり、終わる前の世界を知らない彼に様々な知識を与えたりする。
戦いでキリエが傷つくことに心を痛めている。
だが、涙は流さない。無理に彼を止めるようなこともしない。
キリエのためならば自らの命も捨て去れる。何かを一つ諦めたような微笑みと共に。



機械死人
全ての命を屠るために存在するもの。
どのようにして動いているのかは不明。人工知能の代わりに死んだ人間の魂を入れられているという説を唱える者もいた。
時計仕掛けの神、チクタクマンの加護を受けており、あらゆる物理的な干渉を受け付けない。
ただひとつ、同様の加護を受けているものの攻撃を除いては。
人間に擬態する能力を持つものもいる。




ビリー・パーシング
終わる前の世界に存在した青年将校。
正義感と友情に溢れた好青年で、『鋼鉄の男』というアメリカン・コミックの愛読者。
ある日、彼はディズニーランドフォード・ワールドに招かれる。
そして、そこの主と言葉を交わすうちに偶然にもある男の名を聞く。親友の仇と思しきその男が今ここに来ているという事も。
早速その男の元へ赴いたが、その後、彼は…。










ふたりは旅をする。安息の地を求めて。
寄り添い、支えあい、すれ違いながら。







以下、ジャイアニズムに掲載されたスチパンシリーズの年表と、カルシェールに掲載されていたif世界の年表を照らし合わせたものです。
表記が異なっている年のみ書き出しています。
青字がスチパンシリーズ、黒字がカルシェールです。





1822年
E国北海にて、探索者R・カーターが行方不明になる。碩学チャールズ・バベッジが失踪。
大碩学エジソン、「最後の文明の始まり」を宣言。
1822年
英国北海、探索者ランドルフ・カーターがカダス地方へと通じる≪門の位相≫を発見。
R・カーター、チャールズ・バベッジ、ローラ・ネーデルマン、カダスへ到達。


1825年
E国、F国、C国それぞれの首都にて異常現象の報告相次ぐ。
1825年
西インド会社、ロンドン、パリ、北京において時間と≪史実≫の≪ずれ≫が確認される。
結社、≪史実の書≫の破棄を決定。


1826年
大碩学エジソンが新理論を発表。エジソン理論に基づき、進歩的蒸気機関技術が開発され始める。
世界的碩学たちの知識と発想を得た飛躍的な発展と変化。
1826年
世界各国の碩学がカダス北欧帝国へと渡航。


1827年
チャールズ・バベッジが失踪より帰還し、超大型計算機≪大階差機関≫の開発を開始。
欧州及び合衆国、『第2次産業革命』の発生を共同宣言。蒸気機関時代、空の灰色時代の幕開け。
1827年
カダス北央帝国、チャールズ・バベッジが超大型計算機≪大階差機関≫の開発を開始。
欧州各国及び合衆国、『第2次産業革命』の共同宣言。蒸気機関時代、空の灰色時代の幕開け。


1833年
≪大階差機関≫の完成により機関機械の開発量が爆発的に増大。
E国、人類社会に貢献した碩学を貴族とする『新貴族制度』を設立。
1832~1833年
≪大階差機関≫の完成により機関機械の開発量が爆発的に増大。
1833年
カダス北央帝国、人類社会に貢献した碩学を貴族とする『新貴族制度』を設立。


1849年
第2共和国、ナポレオン3世によるクーデター失敗。同時にブルボン王朝が復古し、F国の政体は王政へ。
1849年
(何も書かれていない)


1850年
第3ブルボン王朝F国、E国の碩学組織との協力でM湾上に試験的準環境型施設を建設。
1850年
欧州及び合衆国、大規模な犯罪組織抗争の陰で初の≪白い男≫目撃報告。
第3ブルボン王朝フランス、英国の碩学組織≪西インド会社≫との協力でマルセイユ湾上に試験的準環境型施設ガクトゥーンを建設。


1861年
A国、南北分離戦争の開始。
スエズ機関運河の完成。
1861年
合衆国、南北分離戦争の開始。
合衆国、エジソン卿は北央帝国による身柄保護の申し入れを拒否。
エジプト、スエズ機関運河の完成。

1863年
「瞬旭のティルヒア」本編の時系列


1885年
O国、R地方独立を条件付き承認。
カリブ海、南北新大陸の超国家的計画として海上拠点S市の大規模改造計画が始動。主導国であるA国と中南米各国、世界各国へ資金的援助の申し入れを開始。
A国、封鎖された新大陸西部で異常現象の目撃相次ぐ。
1885年
オスマン機関帝国、ルーマニア独立を条件付き承認。
カリブ海、南北新大陸の超国家的計画として海上拠点シャッガイの大規模改造計画が始動。主導国である合衆国と中南米各国に対して、カダス北央帝国は巨額の援助を保証する協定を締結。
合衆国、封鎖された新大陸西部で異常現象の目撃相次ぐ。


1896年
A国、犯罪組織同士の抗争激化。
1896年
合衆国、犯罪組織抗争の陰で再度≪白い男≫の目撃報告。


1900年
A国を中心とした先進的機関ゾスの実験が始動。
1900年
(何も書かれていない)


1901年
A国、ナショナル・アライド社が新たなコミック・ヒーローである『鋼鉄の男』のシリーズ発行を開始。子供たちを中心に人気を呼び歴史的規模の成功作に。
1901年
(何も書かれていない)


1902年
カリブ海、洋上拠点S市の重機関都市化が頓挫。
欧州、シュトレゴイカバール鉄塔爆発。
A国東海岸にて、N市が消失(12月25日)
1902年
「蒼天のセレナリア」本編の時系列

カリブ海、洋上拠点シャッガイの重機関都市化が頓挫。原因は、バイロン卿逝去を理由とした北央帝国の協定破棄。
欧州、シュトレゴイカバール鉄塔爆発。≪白い男≫の姿を見たとの目撃情報あり。
合衆国東海岸にて、重機関都市ニューヨークが消失(12月25日)


1903年
A国、コミック『鋼鉄の男』#25にて主人公がNY消失について「神も、私も、等しく無力だ」と言及。A国全土を巻き込んだ社会問題に。
1903年
合衆国、コミック『スーパーマン』#25にて主人公クラーク・ケントがNY消失について「神も、私も、等しく無力だ」と言及。合衆国全土を巻き込んだ社会問題に。
大英帝国にて、メアリ・ウルストンクラフト・シェリーが小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメシュース』を出版。


1904年
R市教皇による『灰色宣言』が物議を醸す(12月31日)
1904年
「赫炎のインガノック」本編の時系列

小説『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメシュース』がローマ教皇に激賞され、直後から欧州各地で舞台化。
世界の各主要都市、空の隙間の存在の報告が相次ぐ(12月25日以降)
ローマ教皇による『太陽発言』が物議を醸す(12月31日)


1905年
カリブ海、洋上拠点S市の不可侵宣言を合衆国が拒絶。
1905年
「漆黒のシャルノス」本編の時系列

大英帝国、ゾス機関実験の頓挫。
大英帝国ロンドンにて≪怪異≫出現の噂が頻出。
カリブ海、洋上拠点シャッガイの中立都市化宣言と不可侵宣言を合衆国が承認。


1906年
E国、ヴィクトリア女王によるゾス機関実験成功の発表。
1906年
「白光のヴァルーシア」本編の時系列

欧州を中心に世界各地で『同時多発的な白昼夢』の報告が頻発。
大英帝国、ヴィクトリア女王崩御。


1907年
由来不明の《大機関時計》が世界各地に出現。
太平洋海底から遺跡が隆起。
同時多発的に世界の全都市が壊滅。世界人口の9割が失われる。
1907年
「紫影のソナーニル」本編の時系列

大英帝国、メアリ・クラリッサ・クリスティが絵本を少部数発行。
合衆国東海岸、廃墟都市ニューヨーク上空にも隙間が発生(12月25日)


1908年
文明と国家の崩壊。
機械死人の発生。世界中で生存者の駆逐が始まる。
1908年
「黄雷のガクトゥーン」本編の時系列

先進各国の協力により、ロンドン、パリ、キエフ、モスクワ、バグダッド、香港、シアトル、シャッガイ等の都市で共通規格のエネルギー情報ネットワークの試験稼働が開始。
国際テロ組織≪血塗られた舌≫が壊滅。
第3ブルボン王朝フランス、マルセイユ付近にて≪白い男≫が目撃される。
世界の各主要都市にて≪幻異≫目撃の噂相次ぐ。


191x年(カルシェール現在)
人類の生存は確認されていない。





年表見ていて気づいたんですが、スチパン世界のリンカーンは何なんですかw
彼が暗殺されたことによって合衆国の民主主義が取り戻されたとか書かれてますしw


そしてカルシェール。
スチパンシリーズの知識があると、キリエとジュネがチクタクマンのオモチャになっている背景が文の端々から見えてきますorz

ていうか、チクタクマンはやってることがソナーニルと同じです。
ソナーニルでは自身が作り出した地下世界を終わらせるためにエリシアとリリィを利用し、彼女たちの旅路を観察していました。
リリィとAが道中出会う敵、《御使い》は彼が作った地下世界の柱であり、リリィたちにそれを壊させる理由はただひとつ。「飽きたから」。

このカルシェールにおいても、「飽きたから」という理由で地球を丸ごと滅茶苦茶にしています。
ジュネが回想する世界の終わりの描写は盛りだくさんすぎて笑いがこみ上げてきましたw
黄金王とか白き死の仮面とか勝てるわけがない。他にも神話生物がうじゃうじゃ出てきてる予感バリバリ。年表や作中で述べられていた「太平洋に現れた海底遺跡」ってのは多分ルルイエですね…。

その一方で、生き抜くべくあがくキリエたちに力を貸すチクタクマン。対価として、力を与える対象であるキリエに「かけがえのないもの」を捧げさせます。
「捧げさせる」ってのがポイントです。キリエから奪うのではなく捧げさせる。チクタクマンは窮地に陥った彼の視界の端に時計の部品を浮かばせて誘惑するのみ。
敵である機械死人がそもそもチクタクマンの生み出したものだという点もソナーニルと被ります。敵を倒す度に世界の死が早まっていくという点も一致してます。

チクタクさん…

心ゆくまで這い寄る混沌してますねチクタクさん…orz


スチパンシリーズ最新作である黄雷のガクトゥーンの主人公テスラさんが主人公にあるまじきチートっぷりだという声をどっかで聞いた気がします。…が、敵方にこんなのがいたらしょうがないですよ。
チクタクさんが「もう飽きたわー」ってなったら、ラスボスレベルの化け物が一斉に百鬼夜行しだすんですよ、やってられませんよ。

そう、テスラさんといえば。

彼はチクタクさんと史実的な意味でも因縁が深いので、そのうち彼を倒してくれるかなーとか思ってたんですが…
カルシェール読んで、無理くね? と考え直しました。スチパンシリーズ完結しても最後までチクタクさん倒すことはできないんじゃないでしょうか。
そもそも追い詰めることが無理なような気がします。時間と空間を支配するヨグ=ソトースをチクタクさんが吸収してる時点で、それこそデモンべインの九郎ちゃんみたいに旧神にでもならないと無理でしょう。
※旧神:ダーレスによって創作された邪悪なるクトゥルーに対抗する存在。スチパンシリーズ的に例えると、「ふるきもの」にそれ単体で存在できる強い力とはっきりした善性を持たせた感じ。
一応テスラさんはそれに近いものになってますが、チクタクさんと戦うor追いかけるとなるとネオンちゃんの幸せが犠牲になりそうで怖いです。せっかくハッピーエンドになったんですし、ネオンちゃんとテスラさんには幸せでいてもらいたいです。カルシェールを読んだ後だとなおさらに。

幸いにもチクタクさんは人間というものに興味を失ったわけではありません。まだ観察し続けています。主に人間の意志と感情、その根源となる欲望を。
よって、彼を倒すのではなく、彼に人間を認めさせる方向でスチパンシリーズは完結するんじゃないかなあという気がします。Mだってメアリさんに説得されて変質したわけですし。
チクタクさんはMに比べるとかなりねじくれてる上にあらゆるものへの諦観が凄そうですが、シリーズが進むうちにそんなチクタクさんも認めざるを得ないような輝きをもったカップル、もしくは女の子が現れるかもしれません。



カルシェール本編は非常にまとまった話で面白かったです。文体もあっさりしていて、スチパンシリーズ初見の人でもサクッと読める話だったと思います。
ただ、シリーズの世界観を知らないと「世界を終わりに導いたのは何なのか?」「キリエの視界の端に現れる時計はどういうものなのか?」など、肝心なところがわからないままになってしまいます。その答えは全部「チクタクマン」なのですが。

キリエとジュネは読んでてニヨニヨしました。
幼い頃から自分を育ててくれたジュネに子どものように素直な反応を見せる一方で、彼女を異性として意識し、大切に思っているキリエ。
ジュネの水浴び中に襲いかかってきた機械死人に「恥知らずめ」と怒り、「あいつには見せない」と裸のジュネに自分のコートをかぶせる流れがツボでした。
その後、冷静さを失っているキリエを懸念し制止するジュネに向かって「すぐにあれを殺して、服を持ってくるから」と答えるのもキリエらしいです。その一連のやり取りの間、一度もジュネ(裸+コート)の方を見ないあたり純情だなあとも。

なお、キリエの下半身がまだ機械化してないというくだりを読んで「まさか…、まさか…!?」とゲスい期待をしてしまったのは私だけでしょうか。
読了した今では「あの頃はまだわかってなかった(色々と)」と複雑な気持ちです。
そういえば、この作品は「あの」ニトロプラス「あの」スチームパンクシリーズのコラボで生み出されたんでしたね。
そんな期待を抱いちゃいけなかった。まさかのそういうシーンがあったガクトゥーンに毒されてしまった…。
※「あの」一例:ニトロプラス→「鬼哭街」 スチパンシリーズ→「漆黒のシャルノス」

ジュネは、振る舞いとか心情とかが女の子らしすぎてとても機械とは思えません。
ショッピングモールで可愛い服を見つけて喜ぶジュネが可愛すぎます。キリエから「綺麗だよ」と言われてどぎまぎするジュネ可愛すぎます。キリエが留め具の多い外套を着るのは、自分を異性として意識した結果だと気づいて急いで話題を逸らすジュネ可愛すぎます。
廃墟のデパートメント。鏡の前で。
随所で見られる微笑みが哀しくもまぶしい。エピローグで、微笑み「を」浮かべているのではなく微笑み「しか」浮かべられないみたいな事が書いてあって落ち込みました。あの微笑みはそういう事だったんですか…、と。でも可愛くて儚くて素敵な微笑みです。
水浴びシーンの裸体は綺麗です。裸体+キリエコートのジュネで触手プレイじみたことやってくれた機械死人アレスさんは色々わかってるなと思います。文章は「骨が砕ける音」等々痛々しいですが、そこは自前の想像力と挿絵の僅かに食い込んでいる(ように見える)アレスさんの触手(?)で補完です。

スチパンシリーズ本編で彼らに登場してもらいたいなあとも思いましたが、最新作ガクトゥーンの時点(1908年)でキリエは4歳ぐらいでしょうか。
4歳…。
本編に登場するには少し幼すぎるでしょうか。正常な環境で育ったキリエを一度見てみたかったのですが、どうもそういうことはなさそうですね。キリエとジュネの出会いはカルシェールの世界観があってのものでしょうし…。ジュネの同型機が出るとかならありそうですが。
…そんなこと言って、ふたりがそのまんま出てきたらどうしましょう。いや、それはそれでとっても嬉しいというか、むしろそうなって欲しいというかwww
まったくの端役なら可能性がなきにしもあらずな気がします。「白衣の女性と青い目の少年が姉弟のように仲睦まじく歩いていた。」とか、そんな感じで。




6/22 追記
ソナーニルの用語辞典にて、チクタクマンによって鉄に変えられた人々である「モール」の項目に

Saiverzonbisonanil.png

!!!


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genre : 小説・文学

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